DM3月号 | - 2007/04/01
- 4月1日より年度が替わり改正が決定している法律がいっせいに施行されます。そこで、今回はこの4月1日に施行される健康保険と厚生年金保険に関する改正法律をピックアップしました。
1.健康保険法 (1).傷病手当金と出産手当金の支給水準の引き上げ及び支給範囲の見直し 支給水準が、現行の標準報酬日額の60%から、2/3支給に改正されます。また、支給範囲として任意継続被保険者は、傷病手当金及び出産手当金の給付がなくなります。さらに、資格喪失後において出産手当金が支給されなくなります。
(2).標準報酬月額の上下限の範囲拡大 標準報酬月額表の下限及び上限について新たに等級が新設されます。 1.最高等級の報酬月額が955千円以上から1,175千円以上とし4等級追加されます。 2.最低等級の報酬月額が101千円未満から63千円未満とし同じく4等級追加されます。
(3).標準賞与の範囲見直し 標準賞与額の上限がこれまでの1回の賞与支払額につき200万円としていたのが、年間賞与の累計額540万円を上限とされます。
(4).病院窓口負担額の変更 70歳未満の人が病気等により入院した場合病院窓口での支払いが高額療養費の自己負担限度額までで済むようになります。
2.厚生年金保険 (1)離婚分割 平成19年4月1日以降の離婚について、厚生年金の分割制度がスタートします。 1.対象となる期間:平成19年4月1日以前を含めた婚姻期間。 2.合意:按分割合について合意が必要 合意が得られない場合は裁判手続きによって按分割合を決定されます。 3.請求期限:原則として離婚後2年以内
(2)子のいない30歳未満の妻の遺族年金 夫の死亡時に30歳未満の子のいない妻の遺族年金が有期給付になります。(5年間)
(3)中高齢の寡婦加算の支給要件 中高齢の寡婦加算の支給要件となる年齢が、夫死亡時に妻が「35歳以上」から「40歳以上」に引き上げられます。ただし、遺族基礎年金を受給している場合は遺族基礎年金の受給権喪失時点で妻の年齢が40歳以上であれば、支給されます。
(4)65歳以降の遺族厚生年金と老齢厚生年金の支給見直し 自分自身の老齢厚生年金が優先して支給されます。(老齢給付は課税所得のため、所得税や住民税・医療保険料の値上げに繋がる。)
(5)70歳以上の被用者の給付調整 厚生年金保険の適用事業所に使用されて平成19年4月1日以降70歳になる人は、老齢厚生年金について調整があります。
(6)老齢厚生年金の繰下げ受給制度の創設 老齢厚生年金の繰下げ受給の創設により、高齢厚生年金だけでも、老齢基礎年金だけでも繰下げ受給ができるようになります。
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